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被災地やお年寄りの方におすすめの動き

「テラノ式手ぬぐい体操」は通常の体操やエクササイズとは異なり、ポーズを重視していません。

ここまでいけばいいとか、こうしないといけないという制約は一切ありません。

以前にも書きましたが、唯一の正解は「気持ちいいのかどうか」ということです

また、いつやらなくてはいけないとか、何分やらなくてはいけないという制約もありません。

つまり、どんな人でも安全に行える体操なワケです。

そのため、運動不足で足腰が弱ってきたり、柔軟性が落ちて動きが固くなってきたお年寄りの方や、また、避難所で生活されていて、満足に動くスペースがなかったりする方たちに非常におすすめです。

実際、この写真は僕の愛すべき祖母(85歳)なんですが、僕は祖母にも手ぬぐい体操を教えています。

カワイイでしょ。

最初はもう老体だし、体操なんかできるのかなと自分でも半信半疑でしたが、実際に教えてみると、意外と脱力できるし、本人曰く「初めての感覚を味わった」とのことです

85歳にして初めての感覚w

最高ですね。

特に戦後から高度成長期を支えてきた60代以上の方々は、それ以下の世代よりも「脱力すること」に慣れていません。

そのため、最初は単に体操のように動かすだけになってしまうかもしれませんが、慣れてこれば「脱力」できるようになってきます。

体操とかエクササイズという感覚は捨ててください。その感覚を持ってやっているとツラくて筋肉痛になりますw

無理せず、そこまで行けるようになったら、随分身体も心も軽くなりますから。

でも、高齢の方や身体に障害のある方などは、これまでに紹介してきたやり方ではハードだという方もいらっしゃると思います。

そこで、ここでは高齢の方や身体に障害のある方、または、避難所暮らしで自由に動けるスペースがあまりないという方におすすめの動きをいくつかご紹介します。

まずは、基本ムーブメント01「バンザイ大回転」の変形バージョン。

祖母をはじめ、高齢の方は肩を後ろまで回すことが困難です。

特に、祖母のように腰が曲がってしまっている人は、立った状態で腕や肩を後ろまで回すなんてとんでもないことです。

そのため、いすに座った状態や、布団に横になった状態で行うのです。

「テラノ式の輪っか」を作った手ぬぐいに両手の親指を引っ掛けて、胸の前に挙げます。

そこから、腕の重さで引っ張られて倒れ込むようにゆっくりと腕を倒していきます。

本来は腕を挙げて行く動きになりますが、寝て行うことで腕は倒れてくることになりますし、また、足腰への負担も少なくて済みます。

これならば、腕を上に挙げられなかった祖母も腕を挙げたのと同じ形が作り出せます。

この状態から片方ずつの腕を横に下ろしたりといろいろ動かしてみてください。



また、この写真のように挙げた腕をそのばで上下に挙げ降ろしするのも腕や肩の運動に効果的です。

このときも、なるべく腕の力に頼らずに、お互いに手ぬぐいで引っ張り合ってる感覚、ぶら下がってるような感覚を感じるようにしてみましょう


続いて基本ムーブメント05「手足脱力Ring」の変形バージョンです。

写真のようにふたつ折りにした手ぬぐいに手を引っかけて、片足ずつ挙げます。

最初に座った状態から身体を後ろに倒して行って足を挙げてもいいですし、それがつらければ寝た状態からはじめるんもいいでしょう。

ここでも大切なのは足を伸ばしたりとか形を追うことではなく、足と手を脱力することによって、「お互いが引っ張り合って伸ばされる」という感覚に気づくことです

特に「モモ裏」「二の腕」「肩周り」が伸ばされてくるはずです。

そして、慣れてくると、足を突き出すようにちょっと力を込めると、自然と身体を起き上がらせることもできるようになります。

これができるようになると、腰に負担をかけることなく起き上がることができるようになるんです。



挙げた足と手をそのまま横にゆっくりと広げながら倒して行くのも「内モモ」や「肩の前面」の脱力にいいです。

このときも、手足の力を抜くと、足がまっすぐに戻ろうとするので、腕が引っ張られて肩周りの脱力を深めてくれます。


もし、二つ折りで行うのが難しいという方。

特に、ここでは「テラノ式手ぬぐい体操」用に作っている110センチの長い手ぬぐいを使ってますから楽にできますが、通常の長さである90センチの手ぬぐいを使っている方で身体の固い方は二つ折りは厳しいと思います。

その場合は、この写真のように長くするというバリエーションもあります。

わかりますか?



二つ折りにするのではなく、片方の穴に逆側を通して、そこにできる輪に足を引っかけるんです。

こうすると随分長くなりますから、身体の固い人でも同じ「脱力感」が味わえます。

たくさん曲がるからいいというワケではありません。

少ししか曲がらなくても、そのなかに心地よさは存在します。

そこを探して行くうちに身体も動くようになるんです。

最後にもうひとつ。

避難所生活が長い方のなかには、あまり歩いたり運動をせずにじっとしているので、足に血がたまってしまう「エコノミー症候群」になりやすくなっているという報道もありました。

そういう時にぴったりなのが次の体操です。

これは手ぬぐいのハジっこを縦に使います。

輪っか部分にかかとをはめ込むような感じでかかとを入れます。

そして、逆側を手に通します。長さはご自身でいい長さに調節してください。

次に、また上体を後ろに倒すようにしていくと、手ぬぐいが足首を手前に押し倒します。

このときも手で手ぬぐいを引っ張ろうとすると、手の力を使ってしまいます。

なるべく、手の力に頼らないで、上体を後ろに倒すことで手ぬぐいを引っ張って、足首を倒すようにします。

しばらく倒したら、戻します。それを何度か繰り返します。

すると、つま先立ちを何度かするのと同じような効果が得られます。

これも座ったり寝たままでもできますし、足の血流を良くすることは全身の血流をよくすることにもつながりますし、冷え性などの解消にも効果があります。

いろいろと身体の不調や生活の不安などから動く気力もなくなっている方もいるでしょう。

しかし、それでじっとしていて、身体まで不調を来してしまっては元も子もありません。

ぜひとも、ぼんやりとしている時間で結構です。できることをできるだけでいいですから、こういう機会にぜひともご自身の身体を感じていたわってあげてください。

また、なかなか文章だけではこの感覚を伝えるのは難しい物もあります。

なるべく多くの方にこのやり方や脱力の仕方をお伝えしに、現地にも伺う予定です。

ぜひ、ウチでもやってくれという避難所の方がいらっしゃればぜひご一報ください。

ひとりでも多くの人に脱力の楽しさが伝わりますように。

楽しんでどうぞ〜

COMMENTS

  1. kin

    おばあちゃん、sweetです。
    そうそう、実際に手ぬぐいをもってもらうと、肩の後ろにいかない方もいるわけです。
    そうすると、どこが気持ちい良い場所になるかなぁ、伝わるかなぁ、と思いました。
    寝ながらやってください、というのも大事かもしれない。

    返信
    1. Terano 投稿作成者

      コメントありがとうございます。

      「気持ちいい場所を探す」ということが、最も大切なことだと思います。

      寝て行うのはあまり動けない人には効果的です。もしくはイスに座ってやるとか。追々バリエーションも増やして行きたいと思っていますので、またご意見聞かせてください。

      よろしくお願いします。

      返信

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