では、実際にどういった動きがあるのか見ていくことにしましょう。
すべてを1度で紹介するには長過ぎるので、部位別に見ていくことにします。
まずは、首と下顎(かがく)です。
photo by TEAM LAB BODY
具体的な動きにいく前にもう一つ基本的なことを。
少しマニアックですが、考え方を知っておくと、
今後の関節の動きを捉えるのに役立ちますのでお伝えします。
上の画像に赤い矢印でx軸、y軸、z軸と書き入れてあります。
xy軸の平面(ピンク色)を「横断面」、
xz軸の平面(黄色)を「前額面」、
yz軸の平面(青色)を「矢状面」、
という、言い方で分類します。
解剖学の用語なので、言い方は難しいですが、
要するにどの方向から身体を見るのかという見方です。
「横断面」は「上下」に関連(動きでは「挙上」や「回旋」など)し、
「前額面」は「前後」に関連(動きでは「内転」や「外転」など)し、
「矢状面」は「左右」に関連(動きでは「伸展」や「屈曲」など)しています。
言葉は特に覚える必要もありませんが、「動き」を捉えるときには
この3つの平面から捉えると、分析しやすいということだけ
覚えておくといいかと思います。
さあ、ようやく具体的に「動き」の種類を見ていくことにしましょう。
ちなみに、手ぬぐいを使えばほとんど全ての動きをカバーする事ができます。
つまり、手ぬぐいを使えば簡単に、しかも脱力しながら
全身をメンテナンスすることが可能なのです!!
まずは首・下顎(がかく)からです。
●首
[関わる筋肉]胸鎖乳突筋(双方向)、前斜角筋(双方向)、頭長筋、頚長筋
上を見上げる動きです。
[関わる筋肉]僧帽筋(上部/両側性)、肩甲挙筋(両側性)、半棘筋、頭板状筋(両側性/同側)、頸板状筋(両側性/同側)、大後頭直筋、小後頭直筋、頭上斜筋
【回旋】
左右に振り向く動きです。
[関わる筋肉]僧帽筋(上部/一側性)、肩甲挙筋(一側性/同側)、頭板状筋(一側性/同側)、頸板状筋(一側性/同側)、大後頭直筋(同側)、頭下斜筋(同側)、胸鎖乳突筋(片方向、反対側)、前・中・後斜角筋(片方向/反対側)
【側屈】
横に倒す動きです。
[関わる筋肉]僧帽筋(上部/一側性)、肩甲挙筋(一側性)、胸鎖乳突筋(片方向/同側)、前・中・後斜角筋(片方向/同側/肋骨を安定させながら)頭板状筋、頸板状筋、頭長筋、頚長筋
首は以上の4種類の動きが組み合わさってできています。
●下顎
口を開く動きです。
[関わる筋肉]顎二腹筋(下骨が固定されている場合、緩める)、広頚筋(補助)、オトガイ舌骨筋、顎舌骨筋、茎突舌骨筋
口を閉じる動きです。
[関わる筋肉]咬筋、側頭筋、内側翼突筋
アゴを突き出す動きです。
[関わる筋肉]外側翼突筋
アゴをしまうというか、出っ歯にするような動きです。
[関わる筋肉]顎二腹筋、側頭筋
下アゴを左右にぎりぎり動かす動きです。
[関わる筋肉]内側翼突筋
下顎は以上5種類の動きで成り立っています。
上肢編へと続く〜〜。。
参考資料:『ボディ・ナビゲーション』(医道の日本社)ほか、解剖学の書籍やウェブサイト
photo by Daiki Yamashita (Wah Qi Neh)
Special thanks to TEAM LAB BODY
※[関わる筋肉]は資料を元に記載していますが、記載漏れなどもあるかもしれません。もし、間違いを見つけられた方はご一報ください。