twitter Facebook mail

「今」しかない

「今を生きる」とか、「その瞬間に集中する」ということをよく耳にします。

まったくその通りなんですが、かつて僕は
頭では理解できていても、本当にその意味を
体感してはいなかったような気がします。

「今を生きている」はずなのに、いつも考えることといえば、
「この先どうなってしまうんだろう」といった未来に対する不安や、
「あの時こうしておけば今頃……」という過ぎ去った過去に対する後悔ばかりでした。

これは多くの人がそうだと思います。

でも、1秒先の未来のことなんか、どれだけエライ人だろうが、
頭のいい人であろうが、わかる人などいません。

(もしかしたら見える人がいるかもしれませんが、見えることが
果たして幸せかどうかというのはまた別問題です。
まあ、見える人がいたらぜひお会いしてみたいとは思いますが。)

反対に過ぎ去った過去を後悔したところで、その時間は取り戻すことができません。

未来のことに関して、何が起こるかわからないというのは、
みなさんもすぐに合点がいくと思います。

未来を見せてみろと言われても、それはあくまでも推測にすぎません。
そのイメージが具体的であればある程、また言っている人に説得力があるほど、
聞く人は納得がいくし、その通りにシナリオをが進んでいくということもあるんですが、
これはまた別の機会にお話するとして。

だからこそ、何が起こるかわからないから不安になるワケですが。

一方の過去は、少しややこしいというか。

本当は「過去の自分」というのも“存在していません”。
もちろん、そのときはいましたけど、「今」には存在していません。
今あるのは「今」のアナタ自身だからです。

ただ、ここでややこしいのは、今の時代、写真やビデオなどで
過去の自分の姿を見ることができるので、あたかも、過去の自分が、
今の自分とは別の状態で存在していたと錯覚してしまうんです。

そこに後悔や後ろ向きの想いが残っていると、「今」の自分に影響をあたえてしまいます。

ただ、いくら後悔したところで、その時を取り戻せるなんてことは、
現代の科学技術を持ってしても不可能です。

そんなことはわかっているのに、どうしてそういうことに捕われてしまうんでしょうか?

それは「意識」がそうさせているんだと思います。

先程、「今しかない」と言いましたが、「意識」は簡単に時空を飛び越えます

まだ見ぬ運命の人とドラマチックな出会いをする、
一週間後に迫ったプレゼンのシミュレーションをする、
行ったこともない海外に想いを馳せて、街をうろついてみる、
長い間会っていない地元の友達と遊んでいる、
学生時代にテストに遅刻して留年しそうになった朝、
子どもの頃、両親とよく遊んでいた空き地でのワンシーン、

でも、「おーい」って人に呼びかけられて、ハッと気づくと、
自宅のリビングでぼーっとテレビを見ていたとか、
電車から流れる景色を見ていた、なんてこと、ありますよね。

あの時のあの感覚。

そんな、「未来」や「過去」、もしくは、まだ見ぬ場所や人に対して想像を巡らせる時、
アナタの意識は確かにその場その時にいると思います。

より具体的にイメージすればする程、思い浮かべる景色や、
もしかしたら肌の感触や匂いまで感じられるかもしれません。

というように、意識というのは簡単に時空を飛び越えます。

しかし、「身体(肉体)」は「今」にしか存在していません

1秒前の過去でもなく、1秒後の未来でもなく、今だけです。

その「今」を積み重ねることで過去が生まれ未来に繋がるのです。

だからこそ、自分の身体を見つめることは「今を見つめること」と同じなのです。

動く・動かない、痛い・気持ちいい、緊張・脱力、、、

こうした感覚は「今」そのものです。

その感覚を味わっていくことは「今」を味わうひとつの手段だと思います

自分の身体のことをすっかり忘れて、意識ばかりが過去や未来を旅していると、
いつの間にか「今」である身体は錆び付いて、思うように動かなくなってしまいます。

逆に、常に動けるように身体の手入れをしておけば、「今」という瞬間に、
何かしようと思い立ったときにすぐに行動できるようになります。

ここでいう「動ける」というのは、ここまでできるとかそういうことではなく、
自分自身が「どこまで動けるのか」をしっかり把握することです。

そして、「身体」と「意識」が「今」という瞬間、ひとつに溶け合って、
大きな流れに身を任せられるようになった時、何かが動き始めます

それは肉体的なことであったり、または精神的なことであったり、
日常の些細なことであったり、大きな目標だったり。

「過去も未来もない」と、ハッキリわかれば、すべてのパワーを
「今この瞬間」に集約して発揮することができるようになります。

その腕力とは全く違ったパワーは凄まじいものでしょう。

しかし、自分自身という器に少しでも、「過去に対する後悔や恥じらい」や、もしくは
「未来に対する不安」という要素が入り込んでいると、
流れが淀んでしまうので、その瞬間に100%のパワーは発揮できません。

「今」しかないんです

その積み重ねが「過去」になり、「未来」へと繋がるのです。

「今」できる最高のチョイスができれば、失敗しても後で後悔することもありません。

「今動かないこと」が後悔を生み出すのではないかと思います。

ついつい自分に甘く「明日やればいいか」となってしまいます。

これはこれで仕方ないんですけど、できるかぎり「今」に集中するクセを付けていく、
つまり身体の手入れをしていくということから始めることをオススメしたいです。

なぜなら、身体を手入れして、動けるようなったとか、気持ち良さを味わえたなら、
昨日の自分よりも少し成長したということになるからです。

こうした小さい奇跡の瞬間を積み重ねていけば、「昨日より今日の方がいい、
でも、明日はもっといいことが起こるはず」というポジティブな
思考へと変わっていくはずです。

そのためには「考えるんじゃなくて感じる」ことも大切です。

「今」この瞬間を感じて、そして最良のチョイスをして動く。

なるべくそうありたいですね。

写真は2006/03/29、トルコの中央南部まで見に行った皆既日食での1コマ。
ちょうど日食が終わって太陽が顔をのぞかせたダイヤモンドリングの瞬間です。

皆既日食もその時、その場所にいないと目撃できない天体ショウ。

宇宙規模で「今」という瞬間を味あわせてくれる貴重な体験でした。

2009年、日本でも見れたことで話題にもなりましたが、
次回は2012年5月21日、日本のトカラ列島、屋久島、種子島、
九州地方の一部(中部から南部)、四国地方の一部、近畿地方南部、中部地方南部、
東海地方の大部分、関東地方の大部分、東北地方南部で「金環日食」観察可能です。

また、同年11月14日にはオーストラリアの北部、ケアンズなどで
「皆既日食」が見られます。

我々は「今」しか見られない奇跡に出会うために、常に準備しているのかもしれませんね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です