twitter Facebook mail

「引き算」の美学


自然はあるがままにそこにあります。

例えば石や岩。

ちなみにこの写真はトルコのカッパドキアで
散歩途中に見つけたひとコマです。

スゴい形してますよね。

でも、最初からその形だったワケではなく、
途方もない時間をかけゆっくりと、
水が削り、風が磨いて今の形を作りました。

そこには華美な装飾など何もなく、
でも、そこに存在するために足りてないモノも
何ひとつありません。

可もなく、不可もない。

このバランスが無理なく整ったとき、
すべてのものは最も美しい姿になると思います。

本来あるべき姿に収まっていくというか。

日本の芸術や侘び寂びの世界もそうですよね。

極限まで不必要なモノをそいでいく。

すると、美しさだけが残る、みたいな。
機能美とでも申しましょうか。

西洋は付け加える文化ですから、また違いますけど。

でも、欲深い現代の人間は違います。

自分の都合に合わないモノは、会うように作り替え、
そして、新しいモノを次々と生み出してきました。

もちろん、そうした「欲」あるからこそ、
文明は進化し発達してきたワケですけども。

もう、充分すぎる所まで来てるんじゃないでしょうか。

電化製品をはじめ、クルマやファッション関連など、
周りを見渡しても、今や消費のための生産としか
思えないほど、モノで溢れかえっています。

そして、さらに新しいモノを取り入れないと、
遅れをとっているかのように煽るコマーシャル。

多くの人が周りの目や声のせいで、自分にとって
何が必要で不必要なのかという“判断する目”が
濁ってしまっています。

それで、とりあえずは人に後ろ指を指されないように、
新製品を、ブランド品を身につけて安心する。

でも、生きて行くのに本当はそんな必要ないですよね。

それなのに、煽られて色んなモノを揃えて(付け足して)
いくうちに、家の中は荷物だらけになり、
また、借金がふくれあがっていたりしてしまって、
余計なモノや手間ばかりが増えて行ってしまいます。

そして、一旦たくさん持ってしまうと、人間は慣れます。

やがて、持っている状態が普通になってしまいますから、
今度はそれらを手放すことも難しくなってしまいます。

今は要らないけど、いつか役に立つときが来るかもしれない。

それは、間違いではないですが、そういうモノって
本当に役に立つ時には使えなかったりするもんです。

必要以上に荷物を増やすことは、足かせを増やすことであり、

行動力を鈍らせることになってしまいます。

身体に関してもそうです。

特に食べる必要もないのに、ストレスや欲求で
ついつい食べ過ぎてしまうなんてことは誰もがあります。

そうやって、必要以上に摂取してしまうことで、
余計な荷物(=脂肪)を溜め込んでしまうんですね。

それはし方のないことです。
ボクだってそうですし。

そこでダイエットやエクササイズをするわけですが。

ここで問題なのが、現在のダイエットやエクササイズは、
本来「引き算」をしないといけないのに、
「足し算」が多いということです

最近のダイエットやエクササイズを見てみると、
「○○を食べて痩せる」とか「このサプリを飲んで」とか、
そんな類いが大半を占めていると思います。

でも、痩せるメカニズムは決まっています

何かというと「摂取カロリー」が「消費カロリー」を
下回っているかどうか。

要するに「食べたら動く」か「動かずに食べない」しかないでんす。

運動もせずに、今の生活に奇跡の食材をプラスしたって、
痩せることはありません。

まあ、内蔵の動きを活発にさせるような食材をプラスすれば、
消化がよくなりますから、一時は効果があるかもしれません。
それでも、食べ過ぎると結局は同じになってしまいます。

そのまま理想の体重まで痩せていくということは、
考えにくいことじゃないでしょうか。

また、運動をしようとして、テレビの通販とかで
いろんなエクササイズマシーンを手に入れても、
手に入れただけで満足して使わなかったという経験が
ある人も少なからずいらっしゃるでしょう。

でも、大切なのは道具の性能ではなく、
使う人の意思だったり使い方だったりするワケです。

これら、一般的な考え方はすべて「足し算」です。

何かを自分に“付け足して”、何かしようという。

しかし、何かを付け足しているワケですから、
総合的に見えれば増えているワケです。

そうではなく、今の生活から不要なモノを引いていくんです。

食べ過ぎていたご飯を甘いものを少し減らす、
1箱以上だったタバコを半分にしてみる、
晩酌のビールを1本減らしてみる。

こうしたことをするだけでかなり変わるはずです。

そういうことをせずに、ダイエットサプリを飲んだり、
目的のない運動を取り入れても意味がありません。

また、年齢とともに身体の代謝も落ちていきます。

だから、昔と同じように食べて、同じように動いていても、
理論上は年齢を重ねていくと太っていきます。

実際そういう人も多いと思います。

かといって、歳を経て、仕事も忙しくなってくるのに、
運動を増やすというのはなかなか難しいです。

まあ、そういう時に手ぬぐい体操があるワケですが。

でも、基本的に食べる量を減らすか、食べるモノを変えるか、
食べ方を変えたりしないと太っていくでしょう。

一方、さらにトレーニング的な話をしていくと、

まず、身体に残った緊張を解きほぐして(=引いて)、
身体を柔らかく、つまり空っぽにした状態にしてから、
筋肉をつけて(=足し算)行かないと、

動く範囲が狭くなってしまうし、自分の動くクセが
抜けませんから、偏った筋肉がついてしまいます。

それよりも、手ぬぐいを使って柔軟性を高めていくと、
自然と見たこともないような筋肉が下から浮き上がってきます。

不思議ですが本当です。

彫刻で削っていくような感覚ですね

脂肪や動きの制限、気づかない緊張を手放していくと、
そこに本来備わっていた機能が目覚めて、
筋肉が浮かび上がってきます。

つきつめると、ブルール・リーのような身体になります。

無駄な脂肪はなく、マッチョでもない。
動きはしなやかで、スピーディ、かつ力強いという。

女性はそこまで目指す必要もないんで違いますが、
新体操やフィギュアスケートの選手がそれに当たるでしょう。

そこから、さらに筋力をつけていきたければ、
特定の部位を鍛えていってもいいでしょう。

手ぬぐいで「脱力」するということは、
力を引くことで、つまりは「引き算」なのです

「引き算」をすることで、余計な緊張や動きの制限を取り除くと、
スムーズに身体が流れ出して、滞っていた流れである脂肪も
少しずつ流れはじめて減っていきます。

しかも手ぬぐい一本でできますから。
場所もお金も時間もかかりません。

手ぬぐいを使って身体が変わってくると、
この「引き算」の重要性がわかってきますので、
身の回りの生活に関しても同じく「引き算」ができます。

余計なモノを手放して身軽になる

脂肪も身の回りのことも一緒です。

身軽になれば、「何かしよう」と素敵な直感が
舞い降りてきたときにすぐに行動に移せます。

しかし、荷物が多い人は、準備にも時間がかかるし、
体重が重かったら立ち上がるまでにも時間がかかります。

ましてや、身体の不調や不安、ストレスを抱えている人は、
「よし、動こう」と思うまでにかなり時間を要します。

それはもったいないなと思います。

同じく努力するなら、始めたときが速い人ほど、
速く上達するのは当然です。

身体において「引き算」をしていくことで、身軽になり
すべての行動の第一歩が速くなるんです。

それができない人は、お金に任せてブランド品を買ったりして、
装飾を“付け足す”ことで満足を得るのです。

そこに何の意味があるのでしょうか。

その装飾を取っ払ったときが人間本来の魅力です。
そういう人が装飾や地位や名誉を取り外したときに、
何が残っているのか。

金に飽かせて欲のままに世界中の珍味を食いあさった末の、
醜い身体であるならば、ボクは貧乏人でいいです。

人間も元々は自然です

ですから、本来は必要なモノが必要な所に必要な分だけ
ついてるのです。

可もなく不可もないはずです。

でも、文明の発達で、人間は大きく自然から離れてしまいました。

そのため、すでに完全なモノを持っていることを忘れて、
本来の美しさを見失っているんです。

今の美しさの基準は、ありのままの美しさというよりも、
何かを身にまとった装飾であり、地位や名誉という
目に見えないモノだったりします。

もう我々は十分に「足し算」してきました。

それは有効に活用しながらも、身の丈をわきまえて、
いかに「引いて」いけるか。

所有しないことなんか不安なことでもなんでもありません。

それは、またお話ししますが、「身体に対する自身」を
得られるようになると、余計なモノは必要なくなります。

自分は醜いと卑下する人はたくさんいます。

でも、そんな人はいません。

人間は完全に自然と調和する美しさを持っているはずです

しかし、それはお金で何かを買ったりとか、
身につけるとか、何かを「足す」ことではありません。

本来備わっているモノなんです。

身体はもちろん、意識も、そして魂をも、
余分なものを削って削ってていくんです。

それは目に見える脂肪や緊張であったり、家の不要品だったり、
目に見えない不必要なクセや思い込みであったりします。

それをどんどん手放していくんです。

すると、奥底にまばゆいばかりの光を放つ原石が見つかるはずです。

それは全員が等しく持っているんです。
それを今度は磨いて磨いていくと、さらなる美しさを放つのです。

しかし、いろんな装飾をまとっている人は、
その奥底にたどり着くのは容易ではありません。

そうでないという人でも、スグには見つけられません。
だからこそ、見つける楽しさや面白さがあるんですが。
でも、誰もが見つけられるモノだと確信しています。

ゆっくり焦らずにやるということが肝要です。

ダイエットだって急激に痩せたら、リバウンドがあります。

食生活やライフスタイルを変えて、ゆっくり時間をかければ、
太らない体質に変わってくることもあります。

いつかは理想にたどり着きますから大丈夫です!!

地球に埋まっているダイヤをありがたがるのもいいですが、
自身のなかに眠るダイヤの原石を見つけることの方が、
よほど価値があるんじゃないかと思っています。

ボクは自分なりの原石を見つけました。
それは人にとって美しいかどうかは知りません。
でも、磨いていくことで自分が磨かれていきます。

手ぬぐいの話をしても、手ぬぐいで脱力が進むごとに、
背中や脇腹に、それまでに見たこともない筋肉が
浮き出してくるんです。

一切トレーニングはなしで、です。

気持ちよく動いている、つまり「引き算」することで、
筋肉が浮かび上がってくる。

しかも、柔らかく可動域の広い身体になっています。

ストレスで食べてしまうこともありますが、基本的には
食事も適量で済みますから、ある意味でエコです。

もう大概のモノは揃っています。

何かを買う、始めるのも大切ですが、
今周りを見渡して不必要なモノを「引く」ことから
始めてみてはいかがでしょうか。

あ、「遊体法/手ぬぐい体操」は「引く」ための
メソッドですし、特別な道具もお金も必要ありません。

ツボとか売りつけないので、安心して活用くださいw

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です