twitter Facebook mail

“スペース” を生み出すこと

space[名]

1 [U][C]広がり;場所,空所,あきま,スペース;間隔;紙面
2 [U](1)空間 (2)大気圏外,宇宙
3 [U][C](汽車・飛行機などの)席
4 ((ふつう単数形))(時の)間,時間,暫時((of …))

by eプログレッシブ英和中辞典
photo by NASA/Goddard Photo and Video Blog

「スペース」。

この言葉も意識や体を探求する上では、
非常に大切なキーワードといえるでしょう。

そもそも、窮屈な所に押し込められていると、
クリエイティブな思考なんてできないし、
周りの人に対しても優しくなれません。

満員電車などがいい例ですよね。

流れに身を任せればいいのに、
なぜかひとりでドア付近で踏ん張ってる人、
ぐいぐい押し返してくる人、

さらに、ニオう人なんか近くにいた日にゃ、
朝から気分を害されることこの上ありません。

心理学などでは、こうして人が快・不快を感じる
空間を指して「パーソナルスペース」と呼びます。

これは置かれた状況や、一緒にいる人によっても
距離は大きく変わりますが、イメージとして

見えない境界線があって、それ以上近づいてくると、
心理的にプレッシャーを感じる距離のこと。

要するに、「縄張り」みたいなものです。

そういえば、朝のラッシュ電車なんて、
それぞれの縄張り争いみたいなもんですよね。

さておき。

この見えない縄張りの「境界線」が強固であればあるほど、
その人を見たときに「なんとなく近付き難い人」という
イメージを与えてしまうのではないかと思います。

やはり、多くの人から愛される人というのは、
近くにいても居心地がいいものです。

逆に厳しい人というのは近くにいると緊張します。

それは、その人の「境界線」がいい意味で曖昧で、
近づきやすいということもあると思います。

その「境界線」を人は「スタイル」と呼ぶのでしょう。

自分と他の人は、ここがこう違うんだぜ、と。

でも、「スタイル」という名の “呪縛” に縛られてしまうと、
その自分の境界線が、縄からチェーンに、そして、
いずれは、鉄柵、うず高い鉄や石の壁へと
変わっていってしまいます。

そうなると、他の人は、その人が作り出す
「スペース」に気軽に立ち入ることはできません。

それよりも、牛の上で鳥が止まって虫をついばむごとく、
いろんな人が自分の生み出す「スペース」に集まって、
楽しい時間を共有できるような人でありたいと思います。

こうした、自分が感じる「パーソナルスペース」とはまた違った、
その人が生み出す「スペース」が広ければ広いほど、
また、そこに入りやすければやすいほど、
そして、居心地がよければ居心地がよいほど、

その人の周りには素晴らしい人物が集まってくることでしょう。

自らの境界線をなくして、「パーソナルスペース」を広げる。

やがてそのスペース(空間)がスペース(宇宙)と繋がったとき、
そこには自分も他人もない、すべてがひとつに溶け合った
極上の時空が広がっていると思っています。

なんとなくかいま見たことはあります。

きっと世界的に平和を唱えていた人や愛に生きた、
ジョン・レノン、ボブ・マーリー、ジェリー・ガルシア、
ガンジー、マザー・テレサ、ダライラマといった人たちは、

まさに「宇宙(スペース)」と同じく、
無限の「スペース」を生み出していたんだろうなと思います。

できることなら、“スタイル” “先入観” “信念”という
“呪縛” から解き放たれて、どこまでも、
自分の「スペース」を広げていけたらいいですね。

一方で、これはまた、身体に関しても同じことがいえます。

身体に関して「スペース」を生み出すということは、
すなわち、脱力して身体中がゆるんでいるということです。

「身体が硬い=緊張が強いということ」でもお話しましたが、
身体が硬いのは、関節の可動域が狭いということでもあります。

つまり、それだけ自分の身体に動くだけの
「スペース」がない、という言い方もできるわけです。

流れが詰まって、色んなところが詰まっていくと、
やがて、そこに不具合が生じたりして使えなくなると、
身体は、その部分を使わないようにしていきます。

もちろん、その詰まりや不具合の程度にもよりますが、
些細なことであれば日常生活に支障をきたすこともないでしょう。

肩こりなんて最たる例ですよね。

肩こりって大体が、日常肩や肩甲骨周りを使わないのが原因です。
使わないから気血が滞って、筋肉のコリとなって現れるっていう。

軽度ならいいですが、それを放っておくと、やがて、
波が広がっていくように、遠くで大きな詰まり(痛み)
となって現れることだってあります。

そうならないように、普段から身体のメンテナンスをして、
身体に充分な「スペース」を与えていくのです。

長年身体を動かしていない人は、
最初、その「スペース」の狭さに驚くことでしょう。

でも、それでもいいんです。

他でも話していますが、
そこでがっかりしてやめちゃうのが一番もったいない。

狭い「スペース」も、やり続けていくことで
徐々に広がっていくのは間違いありません。

脱力して筋肉をゆるめていくことで、
滞っていた流れが流れ始める「スペース」が生まれます。

キツキツ、ピタピタの服を着ているのではなく、
多少ゆったりした服を着ているというイメージでしょうか。

キツキツの服を着ていると、肩も回りませんし、
腰を屈めるのもなんだかキツい感じがしてしまいます。

身体が硬いという人は、皮膚の中が
そんな状態になっているんだと思います。

そんな風に身体に「スペース」がなくて、
動きに制限がかかってしまっていては、
他人に対して「スペース」を与える余裕など
生まれるはずがありません。


まずは自分の身体のなかに、筋肉や骨が充分動く「スペース」、
そして、気血が流れる「スペース」を生み出すことで、
淀んでいた思考も流れ始め、気力も充実してきます。

すると、自ら築いてしまった、境界線の壁が溶け始めて、
他人を受け入れる「スペース」も生まれ始めるのです。

ここまでの流れを作ってしまえば、あとは、
その心地よい流れに身を任せて、流れていけば、
次々と素敵な奇跡に巡り会えます。

ポジティブのスパイラルが止まらなくなっていきます。

引き寄せの法則もこういうことだと思います。

これは何か特別な神様を信じてお経を唱えることでも、
高額な器具を買って自分をいじめて鍛えることでもありません。

ゆっくりと、自分自身を感じて、流れるままに流れて、
「スペース」を生み出していけばいいと確信しています。

自分の中に生まれる「スペース」はやがて、
皮膚の外の「スペース」となり、宇宙全体へと広がっていく。

その「スペース」が森羅万象と溶け合った時、
素敵な奇跡に出会えるに違いありません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です