twitter Facebook mail

1秒の刻みと1ミリの狭間に


1日は24時間。

これは国や性別、宗教、職業、
そして貧富の差も関係なく、
すべての人に平等に与えられています。

photo from http://www.p-file.com/img_dir/371/

そしてまた、1メートルという「距離」の概念も同じ。

もちろん、これはメートルではなく、
インチを採用している国もあるので多少異なりますが、
でも、「ここからここまでの “距離” を1メートル、
もしくは1インチとしましょう」と決めたから、

僕らは、それぐらいの「距離」を見て、
「大体●メートルくらいだよね」と、推測したりできます。

「重さ」も同じですよね。

こちらもグラムとポンドなどで単位の違いはありますが。

なんとなくみなさん、そうやって覚えているから、
無意識に使ってしまっていると思います。

しかし、こうした「単位」は、あくまでも大勢の人同士が
理解し合うための標準的な「尺度」にしかすぎません。


「昨日釣った魚は、このぐらいの大きさだったよ」
「隣の村までか、あの太陽があの辺りに来る頃着くよ」
「次の満月の夜、月が上に来る頃に魚が釣れるよ」
「あの人にあげる米の量か。ぎりぎり持てるくらい」

こう表現しても、その「これぐらい」という「尺度」に
発信する側と受け取る側に、共通の認識がなければ、

お互いが思う、「これぐらい」という「尺度」を
基準に考えてしまうので、
何かとトラブルになりやすいと思います。

「お前これぐらいって言ったじゃねーか」
「だからこれぐらいって言ったじゃねーか」
ってなもんですよね。

そんなコトを避けるためにも、
「じゃあ、日が昇って、次に日が昇るまでを
24時間、満月から満月までを28日としましょう」
とか、「この距離を1メートルとします」
って決めていった方が話がはやいっていう。

そういう共通の「尺度」を「単位」と呼びます。

共通の認識を持つことで、それまでお互いが、
お互いの「感覚」で話をしていたものに、
客観性が帯びてきます。

しかし、先程も申し上げたように、
「単位」はあくまでも「共通認識」であって、
「絶対的な基準」ではありません。

例えば、「1秒」。

カチっと秒針を刻むわずかな時間ではありますが、
その1秒が刻むその時間の感じ方というのは、
人によって全く異なったものとなります。


“不世出の天才” 合気道の達人・塩田剛三先生も、
わずか154センチと小柄ながら、
まるで手品のように向かってくる
相手をばたばたと投げ倒したり、
意のままに相手を操る技を繰り出していました。


“音速の貴公子” アイルトン・セナなどは、
300キロを超えるスピードのなか、
F1マシンを自分の意のままに操って、
他のライバルに圧倒的な差を付けて
ひとつの時代を築き上げました。


“エア・ジョーダン” ことマイケル・ジョーダンは
並みいるタレントが揃う当時のNBAにおいても、
優雅なステップで相手を交わし、
まるで飛んでいるかの如く高くジャンプし、
華麗なダンクを連発していました。

他にもまだまだ例を挙げればキリがありませんが、
こういう方々を見ていて思うことがあります。

どの世界でも「神様」と呼ばれるような人は、
僕たちが感じる「1秒・1ミリ」とは、
まったく異なる時間や距離を感じているのではないかと。


「1秒」なんて、まさに「アッ」という間です。

ですが、その「1秒」を僕が感じるものよりも、
もっと細かく細かく刻んでいって(ex:0.001秒)、
なおかつ、その時間が僕らが思う「1秒」よりも
長い時間、より具体的な時間と感じられるのであれば、

それは、「僕らが見えない世界が見えている」

ということになると思います。

ちょっと話がややこしいかもしれませんが、要するに、
「時間も距離も、単位という共通認識はあるが、
それを感じる感じ方は相対的である」

ということです。

同じように、「1ミリ」も、さらに細分化して、
0.01ミリぐらいも、ハッキリと意識できるなら、
「飛んでくるボールが止まって見える」と
名言を残した、伝説の川上哲治さんの
言っている意味がよくわかるというものです。

「真剣白羽取り」という技をご存知ですよね。

今日のトップ画像でネコが失敗してるヤツですw

あの技だって、「1秒・1ミリ」を、
人間の限界まで刻んで意識できたとすれば、
他の人から見えればものすごいスピードで
振り下ろされてるようにみえる真剣も、
ゆっくりと振り下ろされているように
見えるに違いありません。

だからこそ、セナ、ジョーダン、塩田先生は、
音速のスピードの中でも的確にハンドリングし、
並みいる敵をするするとかわし、
自分よりも遥か大きな男を簡単に投げられる。

交通事故の瞬間、ものすごくゆっくりに見えた
ということや、一瞬のうちに走馬灯が駆け巡った
ということも、そういうことでしょう。

時は常に流れ続けています。

でも、その流れをどう意識するのかはその人次第です。

距離だって同じです。

単位を決めたからそこに存在するだけで、

元々「距離」なんてものは目に見えません。

「どう意識するのか」ってことですよね。

逆に、細分化どころか「1センチ」の意識も
ままならなければ、その人から見える世界は
ものすごくざっくりしたものになります。

なんか、もったいないですよね、そういうの。

まあ、ざっくり見えてた方がいいこともありますけどね。

一方で、どれだけ「大きく意識できるか」
ということも、大切というか。

1ミリをどれだけ刻めるかという一方で、
1ミリをどこまで大きく見られるのか。

1ミリを広げて広げて考えていけば、
1ミリが宇宙と同じ大きさにもなります。


こんなのも感じる「単位」の問題なんで。

今僕らが感じる「1キロ」を「1ミリ」とすれば、
東京〜大阪間なんて5センチ程度です。

「5センチ」って聞けば、そこに遠さを感じることは
あまりないと思います。

でも、「500キロ」って思うと、
「遠いなぁ」って感じることもありますよね。

人の感覚ってそんなものだと思います。

その切り取り方は人それぞれなんですが、
いろんな感覚があって、それをいかに、
「その場その時に見合ったモノを選べるか」
ということが最終的に大切になります。

そんな可能性を増やしておくためにも、
「1秒の刻みと1ミリの狭間にある無限の世界」
を、どれだけ意識することができるのかが、
大切になってくるわけです。

この世界をどれだけ小さく、または大きく
意識できるかというのは、はっきりって
「修練」を重ねるしかありません。

僕も頭ではわかってますが、まだ見えません。

でも、意識を向けること、そして修練を重ねることで
少しずつ、今まで見えなかった狭間や大きな世界が
見えるようになってきています。

じゃあ、どうすればそこが意識できるのかというと。

僕の場合、やっぱり「手ぬぐい」なんですよw

何をどうするかっていうと、具体的な動きは
またお会いしたときにお伝えしますが、

「ゆっくり動くこと」が大切なんです。

じーっくり、ゆーっくり動くことで、
今まで1秒もかけていなかった1センチの動きを、
何秒もかけて1ミリずつ動いてみる。

すると、そこには速く動いていては
見えなかった世界がたくさん広がっているんですねー。

「1秒を刻み、1ミリの狭間を知るために、
 ゆっくりと大きく動く」

逆説的にも見えますが、これで見えるんですね。

今、皆さんが見えている世界、感じている時間。

自分の背中が見えないように、その裏側や狭間には
楽しくて興味深い宝物がたくさん埋まっています。

それをたくさん発見し、また、
使いこなすことができるようになった時、
僕らは達人にはなれなくとも、
達人の「心地よい境地」は体感できるのです。

意識した瞬間から世界は変わります。
最初はよくわからないと思いますが、
やっていくうちに、ふと「わかる瞬間」が訪れます。

その「瞬間の訪れ」に対して鋭敏であるために、
また、「感じる感覚を磨く」ことが大切です。

ぜひ1度お試しあれ〜

COMMENTS

  1. 品川 隆信

    身体 感じることと検索し、ここにきました。ブログがすっきりしてて読みやすくて、プロフィールを読んだあと、1mmのお話を読ませていただきました。 普通、コメントなど書いたことはないのですが、何か、うれしくて書かせてもらいました。
    「意識して、自分自身を感じれる世界はこういうことなんだ」とすごく腑に落ちました。ちょうど今、私も自分を感じることに思いを馳せている時期でした。「考えないで、感じること」とは、考えつくしてきた自分にはとても大切なことのように思っています。また、少しずつ読ませていただきます。ありがとうございました。

    Reply
    1. Terano Post author

      ありがとうございます。嬉しいコメント。光栄です。
      考えつくしてきた今、手放す時期なのかもしれないですね。
      それには身体を感じてみることが近道だと思います。
      最近、恥ずかしながら更新してなくて。。
      その言葉を励みにまた続けます。

      Reply
  2. hide

    ゆっくり動く太極拳を楽しんでいます。
    このTeranoさんのサイトは自分の感覚にピッタリの内容が明確な言葉で綴られていて、
    非常に楽しく興味深く拝見しています。
    自分のこの感覚をどう伝えたら良いのか、勉強になります。
    自分の気づいた感覚も書き込んでいます。
    http://hidetaichi.exblog.jp/

    Reply
    1. admin Post author

      コメントありがとうございます!
      なかなか更新してないですが、共感していただけて嬉しいです。

      ぜひhideさんも楽しく深い人体ワンダーランドの旅を楽しんでくださいね。

      いつかお目にかかれる日を楽しみにしてます!

      Reply

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です