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脱力すること03〜筋肉は一方通行


「遊体法/テラノ式手ぬぐい体操」の最重要項目であり、21世紀の生き方に欠かせないキーワードともいえるのが「脱力」です。

しかし、毎回お伝えしていますが、その “やり方” となると意外と知らない方も多く、難しく考えてしまう方も多いようです。

これは感覚の話しなので、なかなか文章では伝えきれない部分もあります。
ワークショップに来ていただいたり、個人セッションなどを受けていただければ、
すぐに理解できるんですけども。なんで、ぜひお越し下さいw

とはいえ、できるかぎり多くの人に脱力の心地よさを知っていただくためにも、
あらゆる方法を駆使して「力の抜き方」をお伝えしていこうと思います。

そこで、最近心強い味方というかサイトが立ち上がりました。

それが、上の画像の「TEAMLAB BODY」というサイトです。

「TEAMLAB BODY」は、大阪大学運動器バイオマテリアル研究室の
整形外科医師の監修の元開発された、骨格・筋肉を中心とした
人体解剖に関する情報を掲載したwebサイトで、3D画像と動画で構成され
パソコン上であらゆる角度から筋肉や骨の解剖図、動きが見られます。

しかも、無料公開!!

念のため、ウェブサイトで使用してもいいか伺ったところ、
快く許可を下さいました!! 本当にありがとうございます。

気になる方はぜひサイトもご覧下さい。

http://teamlabbody.com/3dnote-jp

身体を旅するにあたって、解剖図を知ることは、地図とコンパスを手に入れることです。

どの部位をどうやって動かしているのか、ということをより具体的に
イメージできるかどうかが「動きの質」に大きな差を生み出します。

それは、ただ単に助手席に乗せられて知らない道を通るのか、
自分で運転して、目印や周りの風景も意識しながら道を通るのかでは、
随分意味が異なるのと同じことです。

追々、このサイトも利用させていただきながら、より具体的な
「身体の歩き方」を皆さんとシェアできればと思っています

その記念すべき1回目としまして、「筋肉は一方通行」という
お話をしていきたいと思います。

一体どういうことかと言いますと、意外と知らない方が多いんですが、
「筋肉は縮むことしかできない」んです。


「は?」という方もいらっしゃると思いますので、
また「TEAMLAB BODY」の画像とともにご説明します。

どこの部位でもいいんですが、解りやすく上腕部を例に話を進めます。

こちらが上腕部の解剖図。

もちろん、ほかにもたくさんの筋肉がありますが、
ここでは、「ひじ関節」の曲げ伸ばしに関わる筋肉に
焦点を当てていきます。

図のようにひじの曲げ伸ばしに関わる主な筋肉には、
二の腕側の「上腕二頭筋」と裏側の「上腕三頭筋」があります
(ほかにも、上腕筋、腕撓骨筋などもありますが省略)。


ひじを伸ばした状態から上腕二頭筋に力を込めて縮ませると、ひじは曲がった状態(屈曲)になります。

では、逆にひじを伸ばす(伸展)ときには、
同じ上腕二頭筋が伸びるからひじが伸びるのかといと、
そうではありません。

ひじが伸びる(伸展)ということは、上腕二頭筋が自ら伸びるのではなく、
反対側の上腕三頭筋が縮むから、ひじが伸びるのです。

この時、上腕二頭筋は伸びるのではなく「伸ばされている(引っ張られている)」ワケです。

つまり、ひじの曲げ伸ばしには、それぞれ、曲げる時には曲げるための筋肉が収縮し、伸びる時には伸びるための筋肉が収縮しているんですね。

言葉としては「曲げる・伸ばす」となりますが、筋肉から見れば、どちらも「収縮する(縮んでる)」だけなんです。

こうした、行って帰ってという筋肉の表裏の関係を「主働筋・拮抗筋」と呼びます。

これは、関節すべてにおいていえます。

必ず何かの動きをする場合、行く筋肉と帰ってくる筋肉が存在しています。

だから、私たちは首や腕や足を挙げたり下げたりできるし、
手や胸や目、口などを開いたり閉じたりできるのです。

ただし、この図の様なアングルの場合、ひじを伸ばすのに、
上腕三頭筋を縮めなくとも、もうひとつ方法があります。

「上腕二頭筋を脱力させる」んです。

この図は立った状態ですから、常に下に向かって「重力」が働いています。

そのため、わざわざ上腕三頭筋を縮めなくても、
上腕二頭筋に込めた力を抜けば、重力によって、
ひじから先の前腕部は下にストンと落ちるはずです。

そういう意味では、「筋肉は縮むことしかできない」と申しましたが、
「筋肉は縮むことと、緩むことしかできない」とも言えます
(「自発的に伸びることができない」という意味で一方通行)。

さてここで、上腕三頭筋を縮める場合でも、
重力に任せる場合でもどちらでも構いませんが、

ひじを伸ばそうとする時に、
上腕二頭筋に余計な力が入っていたとしたらどうでしょう?

余計な力が入っているということは「縮む」方向へ
向かっていっているワケですから、
ひじを真っすぐ伸ばすためには、上腕三頭筋に、
より多くの負荷をかけることになってしまいます。

重力に任せる場合など特にそうです。

本来、二頭筋の力を抜けばひじが伸びるのに、
無意識のうちに二頭筋に力を込めてしまっていては、
力が抜けませんし、必要のない三頭筋まで使わなくてななりません。

これってエネルギーの無駄ですよね。

もちろん、これもひじ関節だけでなく全身の動きに言えることです。

どこかを動かすということは、
その部位に関する筋肉が縮むということですから、
必ずその拮抗筋に当たる筋肉が伸ばされることになります。

その時に拮抗筋に力が入ってしまっていては、
文字通り「拮抗」してしまいます。

そこで拮抗させずに、力を抜けばすんなり逆側の筋肉が
収縮して、無駄な力を使わずに動くことができます。

しかも、脱力に加えてなるべく重力をうまく利用すれば、
余計な筋力を使わずに動くことができるということになります。

力を込めるばかりがいい動きになるとは限りません。

うまい具合に力を抜いて動くということも意識してみてはどうでしょうか。

拮抗筋に関しては、また追々お話していきます。

楽しんでどうぞ〜

Thanks for TEAMLAB BODY

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